【2024年新入生】
関数電卓

　教員からの一言　
岐阜大学工学部 化学・生命工学科 准教授 植村 一広 先生
　理工系の大学生になると、購入を勧められるのが、ノートパソコンと関数電卓だと思います。ノートパソコンは、文章やレポートを書いたり、プレゼン用のパワーポイントを作ったりと、卒業論文作成に大活躍する必須アイテムになります。さらに進学や就職するときも、「新しいのを買い替えようかな」、と長いつきあいになっていくはずです。一方、関数電卓はどうでしょうか。なかなか壊れるものでもありませんし、一生に一度の買い物になる人が多いのではないでしょうか。
　理工系の大学生が関数電卓を携帯する必要があるのは、大学で学ぶ内容が、日常で出会わない数式で表されることが多いのと、多くの計算を瞬時に処理する必要があるためです。この関数電卓のよいところは、複雑な数式を打ち込むだけで、その関数のイメージが図として綺麗に表示される点です。このイメージをみるだけで、「この変数をこう変えたら、この値はこうなってぇ」、と現象の変化を、頭の中で思い描くことができます。すなわち、数式の理解が深化するわけです。でも、一般的な関数電卓では、計算結果の数字がでるだけで終わってしまい、イメージを頭の中で描くことに苦労が伴うと思います。

　この関数電卓でできることは、ノートパソコンのエクセルでもできると思います。自宅や学習室で、落ち着いて検討するなら、エクセルでもよいでしょう。でも、教員としては、講義中や学生実験中に、学生の皆さんが、その数式を疑問に思い、この関数電卓に打ち込んで、すぐに。教員の頭の中のイメージと共有してもらえると、もっと深く話ができてうれしいんです。そんな手軽さが、この関数電卓では実現できます。関数電卓としては少し値ははりますが、自分の能力を高めることを考えれば、良い投資だと思います。一生に一度の買い物なら、そんな高パフォーマンスの関数電卓を手元に置いてもよいかな、と思います。